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ダブルキャストは両方見るべき! - Kiramune Presents Reading Live “パンプキンファームの宇宙人”

 

みなさん、ハッピーハロウィン!
今年のkiramuneリーディングライブはハロウィンにぴったりな演目でしたね。
私は友人たちのおかげで念願の全公演観劇をすることができてとってもハッピーです(初年の“鍵のかかった部屋”以来でした)。
ではでは、長くなりますが、あらすじと感想を。




Kiramune Presents Reading Live “パンプキンファームの宇宙人”
@舞浜アンフィシアター 2016/10/29~30

Aチーム:土曜昼・日曜夜公演
木村良平/浪川大輔/安元洋貴/保志総一朗/岡本信彦/代永翼
Bチーム:日曜夜・土曜昼公演
吉野裕行/緑川光/野島健児/神谷浩史/柿原徹也/江口拓也
(敬称略)

ストーリー

2026年のアメリカ西海岸。潰れかけたオンボロ農場『パンプキンファーム』の裏山に、謎の宇宙船が墜落した。救出された宇宙人の種族は『神』。経営難で相続税が払えない農場の主人、シュトルーデルは嘆願する。「神様なのならお願いだ!死んだうちの婆ちゃんを蘇らせてくれないか!」そして夜が明け、喧騒のハロウィンが始まった……。(公式リーフレット引用)


去年の“OTOGI狂詩曲”の公演前に会場に向かうタクシーの中ですでに今年の演目についての話がなされていたそうで、10/29-30に会場がとれているのでハロウィンの話にしよう!と早い段階でざっくりとしたテーマは決まっていたそうです。
舞浜駅に到着した時点で街はとってもハロウィンの楽しい雰囲気。時期と会場にあった素敵なテーマでした。

短時間で魅せる・聴かせるお芝居を意識するとやはり泣ける話や重めの話になってしまいがちな印象のあったリーディングライブですが、今年はシリアスシーンはあるものの、全体的に会場に笑い声の響くお話でした。ずっとずっと喜劇が見たいと伝え続けてきた私はかなり希望に近いものを見せていただけてうれしいです。
誰が主役というわけでもなく群像劇ちっくな、全員に見せ場のあるお話が私は割と好きなのですが、終演後のあいさつで神谷さんから「主役のかっきー」「もうひとりの主役でありますよっちん」と聞くまでは、主演が誰なのかわかりませんでした。あらすじだけ読んだらシュトルーデルさんが主役っぽいのに…(笑)

お話自体も楽しめましたが、お芝居が各チームとってもよくて。2日目はライブビューイングへのサービスやアドリブ過多になってしまうシーンもありましたが、本当にいいお芝居を見せていただいた2日間でした。
以下にはそれぞれの役の感想を、思い出せる限りで書きますね。


宇宙人 マロン(木村良平さん/吉野裕行さん)

パンプキンファームの裏山に落ちてきた優しき宇宙人。自らのことを神だと云うが、悪戯者のパルから地球の習慣を学んだために、トンチンカンな行動をしてしまう。(公式リーフレット引用)


宇宙人!ということでいろんなアプローチがあったと思うのですが、吉野さんが一言発した瞬間に「やられた~!!!!」と思いました。声出さなかったの、褒めてほしいです(笑)。
文字で説明できないので説明しませんが独特の、吉野さんにしかできない喋りだったと思います。すごく飛び道具的ではあったけれど、こういうお芝居ができる吉野さんを生で見られるなんて貴重な機会すぎました。

最後に、宇宙に帰っていくとき、地球のみんなを思い出し「なんて愛しいひとたちなのでしょう…」とつぶやくセリフがあるのですが、農場でもらったマメカボチャを胸元から取り出すんです(おそらく吉野さんのアドリブ)。あの演出に胸がきゅーっとなりました。はあ…吉野さんのそういうところ…すき…。

吉野さんがある意味飛び道具的な、あの人だからできる芝居をしてしまったので、木村さんのハードルはとてもあがってしまったように思います。ダブルキャストこわい(順番的には木村さん→吉野さん→吉野さん→木村さんでしたが、LVもあって2日目にだけ吉野さん→木村さんとみる人が多かったのではないでしょうか?)。
こんなの越えられる訳ないじゃん…と正直思ったのですが、でもきっと木村さんは考えてきてくれるに違いないと信じていました。ちゃんと正攻法で、しっかり設定作ってきてくれました。

木村さんは、最初は低めの無感情ボイス。「悪戯者のパルから地球の習慣を学んだために、トンチンカンな行動を…」という設定どおり、パルのモノマネをするところから始まります。パルのマネをしているという設定から、岡本さん演じるパルに寄せたかわいらしい宇宙人でした。宇宙へ戻っていくところでの感情表現もよかったです。考えられた、作りこまれたお芝居構成でした。


農場主 シュトルーデル(浪川大輔さん/緑川光さん)

パンプキンファームの農場主。優しい父親だがどこか抜けていて、いざという時、頼りにならない。腕っぷしの強さと肝っ玉の小ささだけは、誰にも負けない自信がある。(公式リーフレット引用)


浪川さんのシュトルーデルは、文字通りの優しい父親でした。頼りないけれどみんなに愛されているかわいいひと。演じているご本人との相乗効果もあり、ぴったりの役だったなと思います。
細かい芝居や聞き取りやすさ、笑いのテンポとシリアスとの落差は、さすがの浪川さんというお芝居でした。魅せられました…。

個人的な好みは、初日の緑川さんのお芝居。洋画吹き替えの冴えないおじさんのようなお芝居で、とっても好みでした。LV、1日目もあればよかったのになあ。たくさんの人に見て欲しかった…。
開演前にはけっこうやさしいおじさんを想像していたので、本当にただのさえないおじさんという感じで「やられた!!!!」と叫びそうになりました(もちろん堪えて拝見しましたけれど)。
2日目の緑川さんはアドリブもちょこちょこあり、楽しんでいらっしゃるのが伝わってきてうれしかったです。ゲストが楽しんでいるリーディングライブ、好きだなあ。


農夫頭 ガト(安元洋貴さん/野島健児さん)

先代の頃から25年も働いているパンプキンファームの農夫頭。持って生まれた誠実さと勤勉さで、農場の実務面を取り仕切っている。真面目すぎてジョークが通じないことも……。(公式リーフレット引用)


安元さん演じるガトはイメージ通りの固めのおじさん。ジョークが通じなそう~!な真面目で不器用な人という印象でした。「そんなに大きな声を出したらだめです!」と誰よりも大きな声で叫んでしまうところなんて、クスっと笑ってしまいました。
嘘をついたパルを叱るシーンでは優しい大人の一面がみえたりして、そのギャップにたまらなくなりました。

一方野島さんのガトは優しさが前面に出るお声でした。野島さんのお芝居は細かいところでさすがだなあうまいなあと思わされることが多いのですが、なかでも私が好きだったのは、ゾンビから逃げて屋上に出た際に火災のピザ屋さんからいい匂いがするところ。「こんなことをしている場合ではないのですが…」とは言いながらも、いい匂いに抗えない感じがとってもよかったです。


新聞記者 ゴウガイ(保志総一朗さん/神谷浩史さん)

C58新聞の自称エース記者。「俺の仕事は号外専門!大きな事件が起きない限りは俺には仕事が無いのである。世間が平和であればあるほどヒマで頭がおかしくなりそうだ!」(公式リーフレット引用)


保志さんは日本のドラマに出てきそうな熱血系の記者さんで、若々しいエネルギッシュな印象を受けました。この人を主役にしたドラマ、夜10時とかにやってくれないかなあと思ってしまいました。
ゴウガイは事件をでっちあげて記事を書くような悪事をしている人物ですが、実はいい人だった…という後日談があるので、保志さんのアツめのちょっとさわやかさもあるお芝居はぴったりだったのではないでしょうか。

しかし神谷さんは洋画吹き替えの悪役のようなお芝居でした…。こういうの演ったら間違いないという路線でした。ありがとうございました。Twitterでは青エクのメフィスト音域でBvSのレックス洋画吹替芝居という表現をしましたが、その2役ともまた違うところも多々あり。一言喋っただけで「あ、こいつど変態」って思わせるお芝居うますぎませんかね?最初の1シーンでぐっと観客の心をつかんでいたように思います。

緩急つけたスピード、テンポ感、セリフのさじ加減、客席を引きつける技術、細かいニュアンス、本当に神谷浩史さんの芝居が好きだなと思わせてくれた2日間でした。
このブログでは何度も書いていますが、最近の神谷さんのお芝居は本当に全部全身で痺れるほどいいものを見せてもらっているなと思っています。
私なんてたった数年ぽっちのファンですが、ここまでの役者さんになるまでを追っていて本当に良かったと思えるし、これからもどんどん高みに登っていくところを追っていきたい。
自分は神谷浩史さんという役者のファンなのだなあと感じさせてくれるお芝居でした。


息子 パリティービット(岡本信彦さん/柿原徹也さん)

農場で働くシュトルーデルの一人息子。「オレは歌手になりたいんだ。輝くスポットライトを浴びて、たくさんの人に注目されて、生きていきたい、暮らしたい」(公式リーフレット引用)


1日目最初の公演、最初に客席から大きな声があがったのは、岡本さんの台詞だったと記憶しています。かわいい路線、岡本さんはこういう役をやらせたらうまいという定番でした。
定番ではあったけれど、その中でも工夫があって。パルは実はロボットであるという設定が見えるお芝居構成だったように思います。シリアスシーンでもあまり感情の起伏なく、終始明るかったところがロボットらしく、それが逆に切なくなりました。

柿原さんはまた違うアプローチのお芝居。アメリカの子どもらしさは圧倒的に柿原さんに感じました。欧米っぽい世界観はやっぱり柿原さんに任せたら強いなあ。
パルには歌のシーンがちょこちょこあったのですが、歌での感情表現がすごくよかったです。ちょっとうるっとしてしまいました。ロボットだって家族だと思わせる存在感でした。


大学院生 砂糖(代永翼さん/江口拓也さん)

農場に曲がりしている日本人留学生。「僕は知的で、恥的で、ステキな理系の大学院生。趣味は他人の揚げ足を取る事!性格はシュガーじゃなくてタイガーです!」(公式リーフレット引用)


代永さんの、明るいけれど底知れない何かを隠し持っていそうな人のお芝居って、なんて魅力的なんでしょうか。存分に発揮されていたように思います。
代永さんって高い声のせいかかわいらしめの役が多い印象ではあるんですけど、カッコいい役がたくさん聞けたらいいなあと思います。今回も落ち着いた役ではありましたが、ちょこちょこかわいいところもあったので…。リーディングライブでぜひ、聞かせてほしいなあ…。

一方江口さんはちょっと若い印象を受けました。ストレートで院進学して留学している感じかなあ。突然おばあちゃんへの愛を叫ぶギャグシーンでは、思いっきり笑わせてくれました。ちょっとシュールな笑いのシーンがうまいというかハマるひとですよね。
早口シーンの見せ場もバッチリきめて、思わず「おお~…!」と声を漏らしてしまいました。


ダブルキャストの魅力を


いつものことではあるのですが、個々の役者の役作りだけでなく、チームごとにお話全体の雰囲気が変わります。

今回は、特にチームごとの向いている方向性が違って、まるで別の人が演出担当をしているかのようでした。私のイメージでは、Aチームはテンポの良いジャパニメーションで、Bチームはアメリカンな雰囲気の洋画吹替えといった具合です。
個人的にはBチームがお気に入りでした。個々のお芝居の魅力が詰まっていたように思います。一方でAチームは、会話のテンポが本当によくて、聞いていてすごく気持ちよかった。お芝居見に行っていて気持ちいいっていう感想をもつのは不思議な感覚です。

こんなに違うのだもの、両方みるしかないじゃないですか!楽しめる限り楽しむしかないじゃないですか!
普段アニメを見ていて「このお芝居が好きだなあ」「このセリフ良かった~!」と思うことも多々ありますが、こうして生でがっつりお芝居してくださって、それを2時間堪能できるのはとても楽しい。
私個人の中では、1年で1番楽しみなイベントになっています。

このブログを見て気になったという方がいたら、ぜひ来年はチケットを取ってほしいなと思いますし、いろんな人に見てもらえる、好きなってもらえるコンテンツになっていくといいなと思っています。


やっぱりリーティングライブは素晴らしい!と思わせてくれた5年目でした。
これからも応援したいと思います。






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