実現可能な最大限を見た - Kiramune Reading Live 「5 controllers + 1」
Kiramune Reading Live 「5 controllers + 1」
土曜昼公演 日曜昼・夜公演
観に行ってきました
なんだろう…成仏しそうです…
土曜夜公演は見ておりませんので、昼公演に寄った感想になってしまいますが、
(そして神谷さんファンなので神谷さんメインになりますが、)
簡単にあらすじと、私が感じたことを。
--- 公式あらすじ ---
最高の仲間たちと協力し、必殺技で凶悪な敵を殲滅する。
そんな無敵な自分は、ゲームの中……。
初夏。マスターの経営するレトロゲームカフェに、
年齢も立場もバラバラの四人の男が集まった。
高校生、リーダー、オタク、新卒……目的はただ一つ。
ゲームをするため!
月に二度の恒例行事となったオフ会は、
彼らの本当の姿を浮き彫りにしていく……。
画面越しに付き合っていた頃は気づかなかった。
でも、この気持ちに嘘はつけない。
特別な力も、リセットボタンも無い。
ただただ普通に毎日を生きてる僕たちのお話……。
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▼Hiro(昼:江口拓也さん / 夜:柿原徹也さん)
オフ会参加をきっかけに、
ゲームクリエイターという夢に向かって進み始める高校1年生。
江口さんのヒロくんは、声のトーンやゲームという題材から、
最初はイクサガ紺くんを連想しました。
でも、親から「ゲームばっかりしてないで勉強しなさい!」
って怒られてる高校生なんて、どこにでもいるんですよね。
ちょっと悩みがちで、周りにおいていかれることにちょっと焦ってる。
そんな、どこにでもいる高校生が江口さんバージョンのヒロくんでした。
柿原さんのヒロくんは、
さわやかで明るくゲーム好きです!っていう素直な高校生。
親への不満はあるけど、基本はしっかりした子という印象を受けました。
そのしっかりさが、終盤マスターに
またゲームしましょうよと言うシーンでの説得力になっていました。
▼Hashi_(昼:神谷浩史さん / 夜:浪川大輔さん)
オフ会を企画したお兄さん。
人を気遣い、慕われるリーダーという役割を昔からしてきた人。
神谷さんのはしーさんは、正直、ストライクでした(笑)
「こうあるべき」リーダー像を研究して、それをこなしてしまう、完璧超人。
でも嫌みがなくて、やさしいスマートかっこいいお兄さん。ずるい。
リーダーっていう役割が、ポジションが好きで、尊敬されるのが好きで、
たくさんたくさん気を遣ってるうちに、それが普通になっていたひと。
ゲームに関しても、みんなと仲良くなるためのツールだよ。みたいな言い方して…
(「いまはみんな、飲まないでしょ?」の言い方最高でした)
でも、本当はゲームそのものが大好きなんだろうな。
カムイさんとうっかり喧嘩してしまったあと、本性を隠さなくなったはしーさんは、
肩の荷が下りて素直にゲームを楽しめるようになって、
前後でのちょっとした雰囲気の変化も楽しめました。
あおいさんの「はしーさんも人間だったんだなあ」は、
神谷さんの完璧人間はしーさんだからこそ頷けるセリフ。
一方、浪川さんのはしーさんは、
みんなとのコミュニケーションが楽しくて、結果リーダーになったひと。
コミュニケーションツールとして始めたゲームが、
いつの間にかすごく好きになっていた。そんな風に見えました。
誰かと接するときに「息をするように気遣ってしまう」というセリフが
すごくしっくりくるはしーさんでした。
浪川さんの声質もあるんでしょうけど、
すごくやさしい、いい人な感じがにじみ出ていて、
いいお兄さんだなあ…と目を細めてみてしまいました。
カムイさんとの喧嘩で本性がばれたあと、
神谷さんはしーさんは「それこそ、床をなめる思いだ」
浪川さんはしーさんは「それこそ、死んでしまうよ」
というセリフの違いもあり、
このシーンは、
神谷さんのはしーさんは、
他人を型にはめて理解した気になって
リーダー気分に浸ってる自分に嫌気がさしている
浪川さんのはしーさんは、
みんなで仲良くやればいいじゃないってリーダーぶって
人のこと勝手に理解した気になって失敗してしまったことへの落ち込み
そんな雰囲気の違いもありました。
神谷さんはしーさんの「床をなめる思い」は、床ペロとかかっていて、
そんな比喩も神谷さんっぽくて素敵でした。
どこまで役者さんが台本に関わってるんでしょう?
(作中でゲーム中キャラクターが先頭不能になることを
床ぺロって言うんだという話が出てきます)
▼Kamui(土曜:日野聡さん / 日曜:石川界人くん)
コミュ障おたく、とみせかけて、
めっちゃいいやつなのが、カムイさん。
日野さんと石川くんで大きく役づくりは違いませんでしたが…
石川くんのほうが全身でおたくを表現していたかな?
見どころは、リアルでの”おたく”喋りと
ネットでの落ち着いたかっこいい喋り方のギャップでした。
日野さん、石川くんともに、
切替ポイントでは客席から悲鳴があがるほど。
ゲスト枠でしたが、ギャップも楽しめ、
キャラクターははしーさんの心を開いたり、
ヒロくんのピンチをを助けてあげたりと、かなり重要な役どころでした。
照れ屋なところも、魅力的でしたね…
▼Aoi(昼:岡本信彦さん / 夜:木村良平さん)
職場ではオタクを隠すアイカツおじさん。HNはあおいちゃんから。
夢をあきらめ就職したけど今はそれなりに楽しんでいる。
ヒロくんの進路相談もしてくれるいいお兄さんだけど、
上手にはしーさんに甘えたりする器用なひと。
岡本さんのあおいさんは、
まさに「新卒!」っていうフレッシュ感がすごかったです。
ご本人の若さと声のかわいらしさも影響してるとは思いますが(笑)
オタク隠して仕事してるんだよー仕事つらいよー
まじアイカツ癒しなんだよあおいちゃん天使ー!
っていうあおいさん、
私の友人のアイカツおじさんたちと全く同じで、すごくリアルでした。
良平さんのあおいさんは、雰囲気が、ちゃらい(笑)
新卒は新卒でも仕事できそうな新卒さん。
「ゲーム好きって時点で女の子とはもうだめなの!」というセリフがリアルで、
モテるためにゲーム好き隠してますっていう感じがしました。
同じ新卒役で、ほとんど同じセリフで、
ここまで雰囲気変わるものか~!!!と唸ってしまったあおいさん。
ダブルキャストってこういうところがわかりやすくおもしろいですね。
▼マスター(昼:前野智昭さん / 夜:野島健児さん)
ゲームクリエイターをしていた過去、
仕事に夢中になりすぎて奥さんを亡くしている。
ゲームと自分の罪を忘れないためにゲームカフェを営むさみしい大人。
前野さんのマスターは、
過去の罪にとらわれて、自分の殻に籠っているようなマスター。
野島さんのマスターは、
いい人だけど何か抱えていそうなマスター。
前野さんは硬い、野島さんは柔らかい雰囲気のマスターでした。
(声質もあるかも?)
ギャルソン風の衣装もあって、視覚的にも楽しめる役でした。
ファンの方は嬉しかったのではないでしょうか?
▼コマさん(昼:吉野裕行さん / 夜:代永翼さん)
コマさん、犬なんです。
犬なんですけど、最後まで、犬であることは全く明かされないまま、
不思議な雰囲気でお話が進むんです。
ヒロくんがゲーム相手を探しているときにコマさんが立候補してもスルーされたり、
どう考えても年下っぽいヒロくんがタメ口で話しかけたり、
終盤になると「俺はコントローラー持てないからゲームできないけど」なんて言ったり、
え?この人なんなの?幽霊なの?とも思ってしまう演出でした。
4公演あり、2回目からは犬とわかって観ると楽しみ方も変わりました。
こういうのって、舞台ではできないし、
朗読という想像力で補う劇だからこそ可能な演出ですよね。
吉野さんのコマさんは、
お年寄り犬なのか、とても落ち着いたおじさんで、
犬ということを知らずに見たら、
変わった常連さんなのな?と思うようなはじまりでした。
日曜昼公演ではひとり考え込むヒロくんのとなりにしゃがんで話す場面もあり、
その姿はまさに寄り添う犬で…
動きのある演出をうまく1番うまく使っていたのは吉野さんでした。
代永さんのコマさんは声が高めなのもあって、
人懐こいわんちゃんなのかな?という印象。
吉野さんのコマさんと比べてひとりひとりとの距離が近く、
代永さんらしさ満点でした。
***
私は、
初年度の「鍵のかかった部屋」、昨年の「悪魔のリドル」、
そして今回の「5 controllers + 1」、すべて観させていただいています。
初年度は、本当に”朗読”で、
アンフィシアターの動く舞台は移動に使われることが主でした。
昨年は、声優さんたちのほかに、ダンサーさんのような”動き”の役者さんがいて、
少し声優さんたちも動きながら演じられていました。
そして今年、
台本を持ちながらではあるものの、かなり”舞台”に近いものになっていました。
神谷さんのインタビュー等には、
役者を目指したきっかけとして演劇部での受賞があげられます。
「いつか、舞台に立つ神谷さんが見たいよね」
「でも、忙しいし、稽古とか無理だし、ないか~」
友人との間でよくあがる話題でした。
今回のリーディングライブは、
神谷さんの舞台が見たいという私の思いを可能な限り満たしてくれるものでした。
感無量。涙が出ました。
神谷さんは最後のあいさつで、
「歌、映像、トーク、朗読…といくつかの軸がありますが、
歌などは下駄をはいた状態で評価してもらっています。
朗読は、下駄をはかない状態で本業の本気のお芝居を見てもらえる場所です」
「これからこの軸をもっと太くしていければと思っています」
というような内容のことをおっしゃってました。
やっぱり生でお芝居が見られるっていいなあ素晴らしいなあと
過去にないくらい満足して帰ってきたので、
神谷さんの言葉を信じてこれからもkiramuneを応援していきたいと思います…
***
いちばんおもったのは、
「わたしやっぱり神谷さんが好き」で、
そんな再確認を、
”本業のお芝居を生で観る”ことで感じさせてくださったみなさまに、
心から感謝しています。